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耳の痒みを

放っておかないで!

犬の外耳炎はとても多く、罹患率は7.5〜16.5%とされています。ただの痒みと言ってあなどることなかれ、外耳炎から外科手術が必要になることもある病気なんです!外耳炎は様々な原因から発症し慢性化することも多いため、その原因を見極めて適切に治療することが重要です。

外耳炎は

どうしてなるの?

アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患、体質(耳垢分泌が多いetc)、寄生虫感染、異物(ノギ、被毛)などが直接の原因となって炎症が引き起こされます。

直接の原因に加え、高温多湿(夏期)、耳毛、垂れ耳、細い耳道(フレンチブルドッグ、パグetc)、腫瘤などの外耳炎が発症しやすくなる要因常在している細菌や酵母菌の繁殖などの外耳炎を悪化させる要因外耳炎の結果生じてしまう耳道の狭窄、耳垢分泌の過多、中耳炎などの外耳炎が治りにくくなる要因などが複雑に絡み合って慢性化してしまいます。

外耳炎が慢性化すると鼓膜を破壊して中耳炎、内耳炎へと進行してしまいます。

外耳炎の原因や要因は、問診、症状、耳垢検査、血液検査、細菌培養検査、画像診断などを組み合わせることによって特定していきます。

どうやって

治すの?

まずは耳の環境を改善させるために、耳の掃除や洗浄を実施します。過剰な耳垢や耳毛を除去し耳道をきれいにします。

次に、耳道の腫れや炎症、さらに細菌やカビの増殖を抑えるために複数の有効成分が入った点耳薬を用います。炎症や痒み、痛みが強い時には飲み薬を併用することもあります。

そして、最も大切なことは上述したように直接の原因(アレルギー、内分泌疾患、寄生虫感染、異物など)を特定し、治療することです。

中には体質的に外耳炎になりやすく慢性化しやすい犬種もいますので、悪化しないように定期的に受診いただきケアしていく必要があります。

点耳薬が

自宅でできないかも?

当院では、1日1回ご自宅で点耳いただく従来のタイプ以外にも、週に1回、または月に1回を病院で点耳するタイプも積極的に使用しておりますので、ご自宅での点耳に不安のある方も安心して外耳炎の治療ができます!

外耳炎を

放っておくと...

外耳炎を慢性化したまま放っておくと、耳道が肥厚して閉塞したり、中耳炎、内耳炎になることがあります。そのような状態になってしまうと、上記のような治療を駆使しても、期待するような改善が得られずに、耳道切除という外科手術を検討しなければなりません。

そのため、早期に対処することがとても大切ですので、少しでも気になったら早めにご相談ください!