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スキンケア

日頃から変化に気づきやすい愛犬の皮膚。普段どのようにケアされているでしょうか。今回は「スキンケア」について、ごく一部ですがお話し致します。スキンケアをされている方もされていない方もご覧になっていただければ幸いです。

 

皮膚のはたらきとは?

皮膚の働きには水分やミネラルの保持身体の臓器の保護などがあり、この働きを皮膚バリア機能と呼びます。皮膚バリア機能が正常であって初めて、乾燥や紫外線、微生物などの過酷な外環境から体を守ってくれます。
犬の表皮はヒトの1/3の厚みしかありません。実はヒトの赤ちゃんよりも薄く非常にデリケートであり、皮膚バリア機能を健康に維持するためには「スキンケア」が重要であるといえます。

スキンケアは1日にしてならず

スキンケアといえばシャンプーや保湿を思い浮かべられる方も多いかと思いますが、それだけではなく、紫外線等からの保護、ブラッシングなどを含めた「外からのスキンケア」、さらにはバランスの良い食事、生活週間、生活環境の管理、またストレス緩和といった「内からのスキンケア」も大切であり、スキンケア成功の鍵はこれらを組み合わせた総合的かつ日常的なケアであるといえます。

そのシャンプーが

皮膚トラブルのリスクに?

皮脂汚れを取り過ぎると皮膚バリア機能に障害が生じる可能性があり、健康な皮膚でも洗浄後は皮膚が弱っている状態に陥ります。そのため、シャンプーの種類や回数などによっては皮脂が取れすぎてしまい、皮膚のトラブルにつながることもあります。

保湿の重要性

「適度に皮脂を落として皮膚バリア機能を維持」できるちょうど良いシャンプーはほとんどありません。そのため洗浄後に保湿することが重要です。保湿によりシャンプー後の皮膚バリア機能のダメージは少なくできると考えられます。また保湿には皮膚の水分保持はもちろん、洗浄で失われた成分を補う目的もあります。
ヒトの新生児でも保湿により皮膚バリア機能が維持されアトピー性皮膚炎になりにくいと報告されており、様々な病気の予防が期待されています。なので、皮膚病の子はもちろん健康な子も、スキンケアの際には保湿を併せて実施しましょう。

オーダーメイドのスキンケアを目指して

皮膚病の原因、痒みの有無や程度、薬の効果などに基づき治療法を選択しますが、特に皮膚病は体質や生活環境を含む多要因が関わるため、その子のために組み合せた治療法、すなわちオーダーメイド治療が必要です。また近年、プロアクティブ療法という予防医療も重要視されています。
ですので、皮膚病の治療や予防には日頃のスキンケアのオーダーメイド化も非常に大切だと考えています。同じ内服薬や外用薬でも、ご家族や動物によっては利用しやすかったり、そうでなかったり様々です。一緒に最適なスキンケアを見つけましょう!そして、守りましょう、愛犬の皮膚